韓国の大邱市長である洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏は14日、「明太均(ミョン・テギュン)氏が2021年の国民の力党の大統領候補予備選挙において、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領を支持し、世論操作を行った」と主張した。洪氏は、当時尹氏や他の候補者と共に予備選挙で争った候補者の一人であり、彼の主張は韓国の政界に波紋を呼んでいる。
明太均氏の世論操作疑惑
洪準杓氏は自身のSNSに、「国民の力党の大統領候補予備選挙の際、明太均氏が運営するピープル・ネットワークス・リサーチ(PNR)という世論調査会社が、尹錫悦候補側に付き、世論を操作していたことを知っていたが、当時は問題視しなかった」と記述した。また、洪氏は「操作された世論調査が党員の投票に影響を与えるとは予想していなかった」とも付け加えた。
2021年の予備選挙は、党員投票が50%、一般国民の世論調査が50%という形式で行われた。党員投票は、K-VotingとARS(自動応答システム)を通じて進行されたため、世論調査会社が直接関与する余地はなかったとされている。一方で、一般国民の世論調査は世論調査会社によって実施されたが、PNRは公式な調査には参加していなかった。
洪氏の主張によれば、PNRは独自の世論調査を操作し、尹錫悦候補に有利な結果を出すことで「尹錫悦優勢論」を広め、それが党員の投票行動に影響を与えた可能性があるという。
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世論調査の結果と予備選挙の実際の結果
PNRが2021年10月17日と31日に発表した世論調査では、当時の共に民主党候補であった李在明(イ・ジェミョン)氏との仮想対決が取り上げられ、尹錫悦氏が僅差で洪氏を上回る結果となった。しかし、他の世論調査機関の調査では、洪準杓氏が優勢であったことも報告されており、これらの矛盾が疑問視されている。
実際の予備選挙結果では、洪氏は一般国民の世論調査で48.21%を獲得し、尹錫悦氏の37.94%を大きく上回ったが、党員投票では34.80%しか得られず、尹錫悦氏の57.77%に敗北した。この結果に対し、洪氏は「党員投票で敗北した理由は、明氏の世論調査よりも、国会議員や党協議会の委員長たちの影響が大きかった」と述べ、選挙結果を受け入れた。
名簿流出疑惑と大邱市庁の動向
一方で、最近、大邱市庁のソウル事務所に勤務する公務員が「洪準杓キャンプから明氏に党員名簿が流出した」という疑惑に関連して、11日に辞職したことが報じられた。洪市長の関係者によれば、明氏がこの件について「奇妙な発言」を繰り返したため、洪市長は周囲に明氏との関係がないかを確認し、辞職した公務員が過去に国民の力党議員の補佐官を務めていたことが明らかになったという。この公務員は既に辞表を提出し、洪市長は「明氏との接触を早い段階で断っていた」と説明している。
政治的背景と反響
今回の洪準杓氏による発言は、国民の力党内での緊張感を一層高めている。特に大統領選挙予備選の際に世論操作が行われたとする主張は、韓国の政治における選挙の公正性や透明性に対する懸念を引き起こしている。
洪準杓氏の言葉は、党内の競争や派閥対立を反映したものと考えられており、彼の発言が今後の国民の力党の内情にどのような影響を与えるか注目されている。名簿流出疑惑や世論操作の主張に関するさらなる調査とともに、これらの問題は引き続き韓国国内で大きな話題となる可能性がある。
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